ミルリーフ |
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■ミルリーフ■初めて欧州3大レースを制した名馬 RANKING4位タイ |
ミルリーフ(Mill Reef)、牡、鹿毛、アメリカ生産、イギリス調教 |
生没年月日・1968年2月23日−1986年2月2日 |
父ネヴァーベント 母ミランミル |
生産者・ポール・メロン 馬主・ポール・メロン |
調教師・イアン・ボールディング 主戦騎手・ジェフ・ルイス |
競走成績・14戦12勝(12−2−0−0) 主な勝利・英ダービー、キングジョージY&クイーンエリザベスS、凱旋門賞 |
■コメント |
「欧州3大レース」とは、ヨーロッパの上半期のチャンピオン決定戦で、イギリス最大のレースといわれる「キングジョージY&クイーンエリザベスステークス」と、ヨーロッパの下半期のチャンピオン決定戦で、フランス最大のレース、世界最高峰のレースともいわれる「凱旋門賞」と世界各国にあるすべてのダービーといわれるレースの規範となった「英ダービー」のことです。 (ちなみに「キングジョージY&クイーンエリザベスステークス」は、最初は「キングジョージY&クイーンエリザベスフェステバルオブブリテンステークス」で施行され、1952年に「キングジョージY&クイーンエリザベスステークス」となり、ダイヤモンドのスポンサーの関係で、1975年から2006年まで「キングジョージY&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス」で、ダイヤモンドのスポンサーが撤退し2007年から「キングジョージY&クイーンエリザベスステークス」となりました) (「キングジョージY&クイーンエリザベスステークス」に、レースの名称を、統一します) 「欧州3大レース」は、3つともGT中のGTで、大レース中の大レースで、どのレースも1つ勝つだけで大変なことです。 この3つを全て制覇したのは、史上2頭しかいません。 そのうちに1頭が本記事のミルリーフであり、もう1頭がラムタラです。 (ラムタラの出走した当時の1995年は前述のように「キングジョージY&クイーンエリザベスステークス」は「キングジョージY&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス」でしたが・・・) この3つの大レースとも制覇するのは、大変で、とてつもなくすごい快挙・偉業だと思います。 □ミルリーフを知るおすすめ作品 ミルリーフは、シャドーロールを装着していたことから、「シャドーロールの怪物」といわれました。 「シャドーロールの怪物」といえば、日本では1994年の3冠馬・ナリタブライアン 古くは1982年の第2回ジャパンカップ出走のため来日したアメリカのジョンヘンリーで有名ですね。 ■履歴 ▼デビュー前 ミルリーフは、1968年にアメリカで生まれました。 ミルリーフは、ポール・メロン氏が生産し、馬主となった馬です。 メロン氏が、ミルリーフのオーナーブリーダー(生産者兼馬主)というわけです。 ミルリーフは、イギリスのイアン・ボールディング調教師の厩舎に入りました。 ▼現役時代 ▽2歳 1970年5月に2歳のミルリーフはデビューします。 レースは、ソールズベリーステークスで圧勝でした。 2戦目にコヴェントリーステークスに出走したミルリーフは、2着に8馬身差で圧勝します。 3戦目にフランスに遠征し、ロバールパパン賞に出走しますが、マイスワロー(後に日本に種牡馬として輸入)に短頭差で2着に敗れます。 イギリスに戻り、ジムクラシックステークス、インペリアルステークス、デューハーストステークスをそれぞれ10馬身差、1馬身差、4馬身差で勝ちます。 2歳のこの年は6戦5勝2着1回でした。 この年のフリーハンデは、マイスワローの133ポンドに次ぐ132ポンドで2位でした。 ちなみに後にライバルといわれるブリガディアジェラードは、131ポンドで3位でした。 ▽3歳 年が明けて、1971年に3歳となったミルリーフは、イギリスでグリーナムステークスに出走し、2着に4馬身差で圧勝します。 ここまで、ロバールパパン賞以外は、ほとんど圧勝のミルリーフは、クラシックの有力として、イギリスのクラシック1冠目の英2000ギニーに臨みます。 このレースでミルリーフは、ブリガディアジェラードに3馬身差の2着と敗れます。 ちなみにマイスワローは、3着でした。 続いてブリガディアジェラードもマイスワローも出走しないクラシック第2冠目の英ダービーは、ミルリーフが2馬身差でリンデントリーに勝ちました。 距離の適性から個人的にはブリガディアジェラードやマイスワローが出走していてもミルリーフが勝っていたと思います。 ミルリーフも当時は距離に不安があるとされていましたが、問題ありませんでした。 今では不安視する考えはありませんが、当時は父ネヴァーベントのスピード血脈から距離が持たないのでは・・・との声もありました。 続いてミルリーフは、初の古馬相手に、エクリプスステークスに出走し、カロ(仏2000ギニー、ガネー賞、後に日本へ種牡馬として輸入)にコースレコードで4馬身差をつけて圧勝しました。 ヨーロッパの上半期のチャンピオン決定戦のキングジョージY&クイーンエリザベスステークスに出走したミルリーフは、オーティスに6馬身差をつけて圧勝します。 キングジョージY&クイーンエリザベスステークスを圧勝したミルリーフは、最後の目標の秋の凱旋門賞に備え、休養します。 休養をとり、フランスに遠征したミルリーフは、凱旋門賞に出走します。 凱旋門賞では、2着の仏オークス馬・ピストルパッカーに3馬身差をつけてコースレコードで快勝します。 ここに「欧州3大レース」制覇の偉業があっさりと達成されました。 前年にニジンスキーが「英3冠馬」となり、次の年には、「欧州3大レース制覇馬」の誕生です。 ミルリーフの強さはもちろんですが、ミルリーフの余裕のあるスケジュールで、長距離戦を使わなかったのは、前年のニジンスキーの過酷なスケジュールや長距離戦(英セントレジャー)を使って、その後に凱旋門賞敗退の原因のひとつともいわれたことから、ニジンスキーの「教訓」がミルリーフの「欧州3大レース」制覇に活かされた気もします。 この年のミルリーフは、6戦5勝で、ヨーロッパ年度代表馬となり、フリーハンデは、133ポンドと1位となりました。 ちなみに英2000ギニーでそのミルリーフを下し、この年無敗の6戦6勝だったブリガディアジェラードは129ポンドで2位でした。 ▽4歳 1972年に4歳となったミルリーフは、フランスに遠征し、ガネー賞を10馬身差で圧勝します。 イギリスに戻ったミルリーフは、コロネーションカップに出走し、2着のホメリックにクビ差で辛勝します。 勝つには勝ったが、いつもと違うミルリーフは、馬インフルエンザにかかっており、予定のエクリプスステークスを回避します。 エクリプスステークスでは、ブリガディアジェラードとの「世紀の対決」が予定されていただけに、残念な回避でした。 そのミルリーフも出走を予定していたエクリプスステークスを快勝し、無敗の連勝を伸ばしたブリガディアジェラードは、適性距離(10ハロンまでは強いといわれていた)を超える12ハロンのキングジョージY&クイーンエリザベスステークスも快勝しました。 しかし8月15日にベンソン&ヘッジス金杯で敗れ、無敗の連勝が15でストップします。 凱旋門賞を目標にしていたミルリーフは調教中に骨折し、一命は取り留めたものの、競走馬の引退を余儀なくされました。 (予後不良で生命を絶たれても仕方ないほどの致命傷でしたが、ミルリーフの強さ、種牡馬の可能性を惜しむ関係者によって治療されました) なお、ブリガディアジェラードは、その後に適性距離(前述のように10ハロン以下)の守備範囲のクイーンエリザベスUステークス(8ハロン)、英チャンピオンステークス(10ハロン)を勝ち、戦績18戦17勝で引退しています。 前述のようにシャドーロールを装着し、「シャドーロールの怪物」といわれたミルリーフ 「欧州3大レース」の偉業を最初に成し遂げた驚異の強さを誇ります。 もし、ブリガディアジェラードとミルリーフが再戦していたら・・・ ブリガディアジェラードの適性距離の10ハロン以下ではブリガディアジェラードに分があるだろうが、10ハロン以上の距離、総合的にはミルリーフの方が上だと私は個人的に思いますが、どうなったでしょうか。 「世紀の対決」は、夢となってしまいました。 ▼現役引退後 イギリスで種牡馬となったミルリーフは、1978年と1987年の2回のイギリスのリーディングサイヤーになっています。 1回目は、英愛ダービー馬のシャーリーハイツや仏ダービー馬・アカマスなどの活躍で、2回目は死後に英ダービー、英セントレジャーの英2冠とキングジョージY&クイーンエリザベスステークス馬・リファレンスポイントなどの活躍で。 他にブリーダーズカップ・ターフ馬・ラシュカリなどがいます。 日本では、マグニチュード、ミルジョージなどが種牡馬として活躍しています。 英愛ダービー馬・シャーリーハイツの産駒・スリップアンカーが英ダービーに勝利し、3代にわたり英ダービー馬を輩出するなど成功しています。 ミルリーフは、1986年に死亡しています。 ■血統 ミルリーフは、父ネヴァーベンド母ミランミル(父プリンスキロ)という血統です □ミルリーフを知るおすすめ作品 |
■競走成績 | |||||
開催日 開催国 競馬場 レース名 |
距離 格 |
頭数 人気 着順 |
斤量 着差 |
騎手 タイム |
1着(2着) |
1970.5.13 英 ソールズベリー ソールズベリーS |
T5F |
11 2 1 |
4 |
G.ルイス |
(Fireside Chat) |
1970.6.16 英 アスコット コヴェントリーS |
T6F |
5 1 1 |
8 |
G.ルイス 1.16.16 |
(Cromwell) |
1970.7.20 仏 メゾンラフィット ロバールパパン賞 |
T1100 |
9 2 2 |
短頭 |
G.ルイス |
My Swallow |
1970.8.20 英 ヨーク ジムクラシックS |
T6F |
8 1 1 |
10 |
G.ルイス 1.17.80 |
(Green God) |
1970.9.19 英 ケンプトン インペリアルS |
T6F |
6 1 1 |
1 |
G.ルイス |
(Hecla) |
1970.10.16 英 ニューマーケット デューハーストS |
T7F |
3 1 1 |
4 |
G.ルイス |
(Wenceslas) |
1971.4.17 英 ニューベリー グリーナムS |
T7F GV |
7 1 1 |
4 |
G.ルイス |
(Breeder’s Dream) |
1971.5.1 英 ニューマーケット 英2000ギニー |
T8F GT |
6 1 2 |
126p 3 |
G.ルイス 1.39.20 |
Brigadier Gerard |
1971.6.2 英 エプソム 英ダービー |
T12F GT |
21 1 1 |
126p 2 |
G.ルイス 2.37.14 |
(Linden Tree) |
1971.7.3 英 サンダウン エクリプスS |
T10F GT |
6 1 1 |
126p 4 |
G.ルイス 2.05.40R |
(Caro) |
1971.7.24 英 アスコット キングジョージ&クイーンエリザベスS |
T12F GT |
10 1 1 |
119p 6 |
G.ルイス 2.32.56 |
(Ortis) |
1971.10.3 仏 ロンシャン 凱旋門賞 |
T2400 GT |
18 1 1 |
55.5 3 |
G.ルイス 2.28.3R |
(Pistol Packer) |
1972.4.30 仏 ロンシャン ガネー賞 |
T2100 GT |
12 1 1 |
10 |
G.ルイス 2.16.2 |
(Amadou) |
1972.6.8 英 エプソム コロネーションC |
T12F GT |
4 1 1 |
クビ |
G.ルイス 2.34.94 |
(Homeric) |
■5代血統図 |
|
Never Bend 1960 鹿毛 |
Nasrullah 1940 鹿毛 |
Nearco | Pharos | Phalaris |
Scape Flow | ||||
Nogara | Havresac | |||
Catnip | ||||
Mumtaz Begum | Blenheim | Blandford | ||
Malva | ||||
Mumtaz mahal | The Tetrarch | |||
Lady Josephine | ||||
Lalun 1952 鹿毛 |
Djeddah | Djebel | Tourbillon | |
Loika | ||||
Djezima | Asterus | |||
Heldfann | ||||
Be Faithful | Bimelech | Black Toney | ||
La Troienne | ||||
Bloodroot | Blue Larkspur | |||
Knockaney Bridge | ||||
Milan Mill 1962 鹿毛 |
Princequillo 1940 鹿毛 |
Prnce Rose | Rose Prince | Prince Palatine |
Eglantine | ||||
Indolence | Gay Crusader | |||
Barrier | ||||
Cosquilla | Papyrus | Tracery | ||
Miss Matty | ||||
Quick Thought | White Eagle | |||
Mindful | ||||
Virginia Water 1953 芦毛 |
Counnt Fleet | Reigh Count | Sunreigh | |
Contessina | ||||
Quickly | Haste | |||
Stephanie | ||||
Red Ray | Hyperion | Gainsborough | ||
Selene | ||||
Infla Red | Ethnarch | |||
Black Ray |
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