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岡野功
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■岡野功■柔道■昭和の三四郎

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岡野功(おかの・いさお) 1944年(昭和19年)1月20日− 

岡野功は、身長171センチ、体重は80キロ未満の体格で体重無差の柔道の全日本選手権に2度優勝し、「小よく大を制す」とうい柔道の醍醐味を体現し、それ以前に東京五輪の中量級で金メダル、世界選手権の中量級でも優勝し、五輪、世界選手権、全日本の「柔道3冠」を果たしています。
岡野は、自身の階級で五輪、世界選手権を優勝し、世界の頂点に立ち、171センチ、80キロ未満の小柄な体格で、体重無差別の全日本選手権でも優勝した強さから「昭和の三四郎」と呼ばれました。

記憶に新しいところでは全日本選手権において1990年(平成2年)に「平成の三四郎」といわれた体重80キロ未満の古賀稔彦が決勝進出、1994年(平成6年)には後に総合格闘技に転進する体重80キロ台の吉田秀彦がやはり決勝進出していますが、いずれも重量級の小川直也、金野潤に決勝で敗れています。
体重の軽い選手が体重無差別の全日本選手権に優勝する難しさを示しており、おそらく全日本選手権を体重80キロ未満で制した岡野は最軽量の全日本選手権者のはずです。



「昭和の三四郎」ともいわれた岡野功は、柔道教則本のバイブルともいわれる「新装改訂版 バイタル柔道−投技編」「新装改訂版 バイタル柔道−寝技編」でも知られています・・・


■履歴

▼現役時代
岡野は中央大学在学中の1964年(昭和39年)の東京五輪において柔道の中量級で金メダルを獲得します。
当時20歳でした。
翌1965年(昭和40年)には世界選手権の中量級で優勝しています。
1967年(昭和42年)には体重無差別の全日本選手権で優勝、翌1968年(昭和43年)の全日本選手権は準優勝、1969年(昭和44年)の全日本選手権で2回目の優勝をします。
2回目の全日本選手権を制したのを機に、25歳の若さで引退しています。

背負い投げ、一本背負い投げ、小内刈りなどの立ち技の切れはもちろん寝技も強く、その強さは才能もあったのでしょうが、豊富な練習量に裏打ちされたものとされます。

▽主なタイトル
1964年 東京五輪中量級 金メダル
1965年 世界柔道選手権中量級 優勝
1967年 全日本柔道選手権 優勝
1969年 全日本柔道選手権 優勝

▼引退後
引退した1969年(昭和44年)秋にフランスナショナルチームから指導の要請を受けて渡仏、3ヶ月ほど指導をします。

翌1970(昭和45年)に正気塾(現在は流通経済大学柔道部の合宿施設)を設立します。
ミュンヘン五輪の柔道重力級、無差別級の金メダリストであるウィレム・ルスカ(オランダ)が正気塾を訪れ練習をしたことはよく知られており、五輪の表彰式で正気塾のジャージを着て表彰を受けたとされます。
ルスカにとって岡野の主宰する正気塾での練習は五輪金メダルへの力となったのかもしれません。
東京五輪無差別級金メダルのアントン・ヘーシンク(オランダ)も正気塾で練習したといわれているように世界の強豪が正気塾を訪れたようです。
最近では北京五輪100キロ超級金メダルの石井慧が五輪前に岡野の下を訪れ練習をしており、岡野の指導に感銘を受けたといわれます。

モントリオール五輪軽重量級金メダル、世界選手権無差別級優勝の二宮和弘らを育て上げ、1976年(昭和51年)のモントリオール五輪において柔道日本代表のコーチ、その後も流通経済大学の監督、慶應義塾大学、東京大学の柔道部の師範を歴任、現在は流通経済大学の柔道部部長として後進の指導をしています。
また岡野の著書である「バイタル柔道 投技編」「バイタル柔道 寝技編」は柔道教則本の定番、バイブルとして長く愛読されています。

▼「小よく大を制す」の体現者
171センチ、80キロ未満の体格で全日本選手権に2回優勝した岡野功は柔道の理想である「小よく大を制す」の体現者だと思います。
しかも自身の階級で五輪、世界選手権も制し「柔道3冠」を達成しています。
岡野功は現役時代の輝かしい実績はもちろん指導者としても大きな存在であり続けています。


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