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ハイペリオン
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■ハイペリオン■小さな巨人・大種牡馬
ハイペリオン(Hyperion)、牡、栗毛、イギリス生産、イギリス調教
生没年月日・1930年4月18日−1960年12月9日
父ゲインズボロー 母セレーネ
生産者・第17代ダービー伯爵  馬主・第17代ダービー伯爵
調教師・ジョージ・ラムトン→コリッジ・リーダー  主戦騎手・T・ウェストン
競走成績・13戦9勝(9−1−2−1) 主な勝利・英ダービー、英セントレジャー
■コメント
ハイペリオンは1930年にイギリスで生まれ、イギリスで調教されました。

英ダービーや英セントレジャーなどを制し、種牡馬としてもイギリスのリーディングサイヤーに計6回なりました。

馬名はギリシア神話の神・ヒュペリオンに由来しています。

なお、ギリシア神話においてハイペリオン(ヒュぺリオン)はセレーネ(セレネ)の母であり、神話とは親子関係が逆転しています。

ハイペリオンの馬体は非常に小柄なことで知られましたが、母のセレーネも非常に小柄で知られ、そのためクラシック登録をされませんでしたが、22戦16勝の優秀な競走成績を挙げました。

しかし競走馬以上に繁殖牝馬として優秀で、本記事のハイペリオンの他にシックル、ファラモンド、ハンターズムーンなど重要な種牡馬を出しました。

ハイペリオンの小柄な体は、セレーネの影響を受け継いだようですね。

ノーザンダンサーノーザンダンサー系種牡馬に小柄な馬が多いのは、ハイペリオンの影響だと考えます。

血統的にもハイペリオン血脈の強いノーザンテーストなどの毛色が栗毛なのもハイペリオンの影響と推測します。

□ハイペリオンを知るおすすめ作品

■血統
ハイペリオンは、父ゲインズボロー母セレーネ(父チョーサー)という血統です。

父は1918年のイギリス3冠馬(ただし、代替開催も含む)のゲインズボローで、ハイペリオンなどを出し、後のサラブレッドに大きな影響力があります。

ゲインズボローは、戦前に日本で大きな成功をした種牡馬のトウルヌソルの父として知られていますね。

母のセレーネは、前述のように繁殖牝馬として非常に優秀で、やはり後のサラブレッドに大きな影響力があります。

ハイペリオンは、ガロピン、セントサイモン親仔の血脈の強い馬です。

■履歴
▼現役時代
▽2歳
ハイペリオンは1932年5月に未勝利プレートでデビューし、デビュー戦4着を受け、2戦目にニューステークスに勝利し、3戦目も連勝、4戦目に3着に敗れ、5戦目のデューハーストステークスに勝ち、この年は5戦3勝とします。

▽3歳
1933年は調整の遅れなどで英2000ギニーに間に合いませんでしたが、チェスターヴァースを勝ち、英ダービーに臨み、当時のレコードタイムで4馬身差の快勝をし、次のプリンスオブウェールズステークスを勝つと英セントレジャーに臨み、英セントレジャーも3馬身差で快勝します。

▽4歳
1934年は調教師が馬主の第17代ダービー伯爵によりジョージ・ラムトン氏からコリッジ・リーダー氏に変わります。
(ラムトン氏の健康面での不安や調整が遅れ英2000ギニーに間に合わず挑戦できなかったことなどの不満が第17代ダービー伯爵にあったともいわれています)

さらに2連勝と連勝を重ねますが、アスコットゴールドカップでは3着、ダリンガムステークスでは2着に敗れ競走馬を引退します。

▼現役引退後
ハイペリオンは種牡馬となると、1940年から1942年の3年連続、1945年と1946年の2年連続、1954年の計6回のイギリスのリーディングサイヤーになっています。

主な産駒・・・
オーエンテューダー(ニューダービー、ニューマーケットゴールドカップ)
ペンシヴ(ケンタッキーダービー、プリークネスステークス)、
サンチャリオット(イギリス牝馬3冠=英1000ギニー・英オークス・英セントレジャー)
オリオール(キングジョージY&クイーンエリザベスステークス)
ゴダイバ(英1000ギニー、英オークス)
サンストリーム(英1000ギニー、英オークス)
ソールオリエンス(英ダービー)
ハイシラ(英オークス)
ハイペリカム(英1000ギニー)
など

種牡馬として成功したものにオーエンテューダー、オリオール、ロックフェラ、ケーレッド、ヘリオポリス、アリバイ、ヘリオス、ルースレス、セリムハッサンなど

父系は主流血脈とはいえませんが、続いています

ハイペリオンの「スピード血統」はオーエンテューダー系(テューダーミンストレルなどへ)に、底力のある「クラシック血統」はオリオール系(ヴィエナ→ヴェイグリーノーブルなどへ)に続いています。

母の父として・・・
サイテーション(アメリカ3冠=ケンタッキーダービー・プリークネスステークス・ベルモントステークス)
アリシドン(イギリス長距離3冠=アスコットゴールドカップ・グッドウッドカップ・ドンカスターカップ)
パーシア(英ダービー)
ニアークティック(カナダリーディングサイヤー、ノーザンダンサーの父)

1959年を最後に種牡馬を引退し、1960年に老衰で死亡しています。


■ハイペリオンの影響力
ハイペリオンの後の血統、サラブレッドへの影響は大きく、主流血脈といわれるファラリス(ネアルコの祖父)系やファロス(ネアルコの父)系などに迫り、場合によって匹敵するとすら考えます。

ハイペリオンの血を受けた名競走馬・大種牡馬などは多く、前述のようにノーザンダンサーはハイペリオンの血が入っており、体格も同じ小柄で漂う雰囲気も似ています。

個人的には大種牡馬・サドラーズウェルズなどにもハイペリオンの影響を感じます(血統的にもサドラーズウェルズにはハイペリオンのインブリードがあり、ハイペリオン血脈が強い)。

日本で成功したテスコボーイもブルードメアサイヤーがハイペリオンです。

血統においてハイペリオンの影響力は非常に大きいと思います。

■エピソード
1934年にハイペリオンが思うような実績を残せなかったのは、ハイペリオンがリーダー氏のことを嫌っていたためともいわれます。

一方で、最初に管理した調教師のラムトン氏との絆は深いとされ、ゴールドカップでラムトン氏が観戦していたのをハイペリオンが見つけると、その場を動かなくなったことがあります。

ハイペリオンは、基本的に人懐こく温和な性格だったといわれますが、自分に気に入らないことがあると頑なにそれを拒み、その場から動かなくなるといわれ、ハイペリオンの血統の中で血脈が強かったセントサイモンも同じ癖を持っていたといわれます。

これはレースにも影響し、走る気のない時は凡走したといわれます。

□ハイペリオンを知るおすすめ作品

■競走成績
開催日 開催国 競馬場
レース名

距離


頭数
人気
着順
斤量
着差

騎手
タイム

1着(2着)


1932.5.27 英 ドンカスター
未勝利プレート

T5F


19





T・ウェストン


Aidetta


1932.6.6 英 アスコット
ニューS

T5F


22





T・ウェストン


(Nun’s Veil)


1932.7.28 英 グッドウッド
プリンスオブウェールズS

T6F






同着

T・ウェストン


Sairway


1932.9.28 英 ニューマーケット
ボスコーエンS

T5F








T.ウェストン


Manitoba


1932.10.27 英 ニューマーケット
デューハーストS

T7F








T.ウェストン


(jesmond Dene)


1933.5.2 英 チェスター
チェスターヴァーズ

T12F


11





T.ウェストン


(Shamsuddin)


1933.5.31 英 エプソム
英ダービー

T12F


24





T.ウェストン


(King Salmon)


1933.6.13 英 アスコット
プリンスオブウェールズS

T13F








T.ウェストン


(shamsuddin)


1933.9.13 英 ドンカスター
英セントレジャー

T14F132Y


14





T.ウェストン


(Felicitation)


1934.5.3 英 ニューマーケット
マーチS

T10F





クビ

T.ウェストン


(Angelico)


1934.5.15 英 ニューマーケット
バーウェルS

T12F






3/4

T.ウェストン


(king Salmon)


1934.6.21 英 アスコット
アスコット金杯

T20F


10





T.ウェストン


Felcitation


1934.7.17 英 ニューマーケット
ダリンガムS

T12F






短頭

T.ウェストン


Caithness


■5代血統図
St.Simon4×3、Galopin4×5×4、Pigrimage4×5
Gainsborough
イギリス
1915 鹿毛
Bayardo

1906 鹿毛
Bay Ronald Hampton Lord Clifden
Lady Langden
Black Duchess Galliard
Black Corrie
Galcia Galopin Vedette
Flying Duchess
Isotta Isonomy
Lady Muncaster
Rosedrop

1907 黒鹿毛
St.Frusquin St.Simon Galopin
St.Angela
Isabel Plebeian
Parma
Rosaline Trenton Musket
Frality
Rosalys Bend Or
Rosa May
Selene

1919 鹿毛
Chaucer

1900 黒鹿毛
St.Simon Galopin Vedette
Flying Duchess
St.Angela King Tom
Adeline
Canterbury Pilgrim Tristan Hermit
Thrift
Pilgrimage The Palmer
Lady Audley
Serenissima

1913 鹿毛
Minoru Cyllene Bona Vista
Arcadia
Mother Siegel Friar’s Balsam
Galopin Mare
Gondlette Loved One See Saw
Pirgrimage
Donogola Doncaster
Douranee

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