ヴェイグリーノーブル～凱旋門賞制覇は最強の証明（メインウェーブ）

ヴェイグリーノーブル（Ｖａｇｕｅｌｙ　Ｎｏｂｌｅ）、牡、鹿毛、アイルランド生産、イギリス→アイルランド→フランス調教

生没年月日・１９６５年５月１５日－１９８９年４月１９日

父ヴィエナ　母ノーブルラッシー

生産者・ライオネル・ホリデー　　馬主・ブルック・ホリデー→ウィルマ・フランクリン＆ネルソン・バンカー・ハント

調教師・ウォルター・ウォートン→バディー・プレンダーガスト→エティエンヌ・ポレ　　主戦騎手・ウィリアム・ウィリアムソン（ジャン・ディフォルジュ）

競走成績・９戦６勝（６－２－１－０）　主な勝利・凱旋門賞

■コメント

ヴェーグリノーブルは、１９６８年の凱旋門賞などを勝っています。

□ヴェイグリーノーブルを知るおすすめ作品

■血統
ヴェイグリーノーブルは、父ヴィエナ母ノーブルラッシー（父ネアルコ）という血統です。

父ヴィエナは、ウィンストン・チャーチル元イギリス首相の所有馬で、最も優れた競走成績を挙げたといわれますが、大レースの勝利はありませんでした。

ヴィエナの父であるオリオールは、エリザベス２世・イギリス女王の所有で、キングジョージⅥ＆クイーンエリザベスステークスなどの勝ち馬です。

オリオールは、ハイペリオン系でも最も底力のある血脈といわれ、いわゆる「クラシック血統」です。

母のノーブルラッシーは、現役時代２勝を挙げた馬で、近親に特別の活躍馬のいない、父系が「クラシック血統」の血脈である点以外は、平凡な血統でした。

■履歴
▼デビューまで
ヴェイグリーノーブルは、１９６５年５月１５日にアイルランドで生まれました。

生産者のライオネル・ホリデー氏は、ヴィエナと自分の所有の繁殖牝馬の交配で奇形の馬を生んだため、ヴィエナを嫌っていましたが、ヴィエナとの交配の予約をすでに入れていたため、しかたなくヴィエナを自分の所有の繁殖牝馬に交配させて、ヴェイグリーノーブルが生まれました。

生産者で、ヴェイグリーノーブルの馬主となったライオネル・ホリデー氏がヴェイグリーノーブルが生まれた年の１９６５年１２月に他界しました。

ヴェイグリーノーブルの所有などの名義は息子であるブルック・ホリデー氏に相続されました。

ヴェイグリーノーブルは馬がまだ未熟で、近親に活躍馬がいないことなどもあり、クラシック登録されず、クラシックへの道は閉ざされました。（当時は追加登録制度なし）

ヴェイグリーノーブルは、イギリスのウォルター・ウォートン調教師の厩舎に入りました。

▼現役時代
▽２歳
１９６７年８月に２歳のヴェイグリーノーブルは、イギリスで、未勝利ステークスでデビューし、クビ差の２着、９月の未勝利ステークスも３／４馬身差の２着に敗れます。

しかし３戦目のサンドウィッチステークスで１２馬身差の圧勝をすると、当時の２歳戦の大レースであるオブザーヴァー金杯でも７馬身差の圧勝をします。

年末に、ライオネル・ホリデー氏の遺言執行人が、相続税の軽減などのため、ヴェイグリーノーブルをセリに上場しました。

前述のように平凡な血統で、クラシック登録もないヴァイグリーノーブルが高値で売れ、注目されました。

落札したのは、ロバート・フランクリン氏でした。（ヴェイグリーノーブルの所有の名義はウィルマ・フランクリン夫人）
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ヴェイグリーノーブルは、アイルランドのバディー・ブレンダーガスト調教師の厩舎へ転厩となりました。

落札を最後まで争ったネルソン・バンカー・ハント氏が交渉をもちかけ、ヴェイグリーノーブルは、２人で所有することになりました。

ハント氏の主張により、クラシック登録のないヴェイグリーノーブルは、フランスの凱旋門賞を目標に据え、そのためフランスのエティエンヌ・ポレ調教師の厩舎に移りました。

▽３歳
１９６８年に３歳になったヴェイグリーノーブルは、フランスでギッシュ賞で３馬身差の快勝をし、クラシック登録のないヴェイグリーノーブルはフランスダービーには出られませんが、フランスダービーと同じ日・同じ場所（競馬場）のリス賞に出走し、８馬身差の圧勝で格の違いを見せました。

この後、ヴェイグリーノーブルは、サンクルー大賞で３着に敗れます。

騎乗したジャン・デフォルジュ騎手の判断ミスともいわれています。

次のシャンティ賞からそのためかイギリスでコンビだったウィリアム・ウィリアムソン騎手に乗り変わっています。

シャンティ賞は、２着に４馬身の快勝をします。

続く、凱旋門賞では豪華なメンバー（各国のクラシック馬など）がそろう中でヴェイグリーノーブルは、サーアイヴァーに３馬身差をつけて快勝します。

クラシック登録のないヴェイグリーノーブルにとって凱旋門賞制覇こそ「最強」の証明で、この勝利は、高く評価されました。

凱旋門賞制覇を争い、ヴェイグリーノーブルに敗れたサーアイヴァーが、この後、英チャンピオンステークスを楽勝し、アメリカへ遠征し、ワシントンＤ．Ｃ．国際ステークスなどで勝利したからです。

強いサーアイヴァーに勝ち、凱旋門賞制覇をすることによって、ヴェイグリーノーブルは「最強」の証明をしました。

ヴェイグリーノーブルは、凱旋門賞制覇を最後に競走馬を引退しています。

▼現役引退後
競走馬を引退し、種牡馬となったヴェイグリーノーブルは、ハイペリオン系でも最も底力のある「クラシック血統」の血脈を発揮します。

シンボリ牧場が輸入し、注目された英ダービーのエンペリーやキングジョージⅥ＆クイーンエリザベスステークスを連覇し、愛オークスなどに勝った女傑のダリアなどを輩出しています。

種牡馬として、アメリカにいましたが、産駒はヨーロッパで主に活躍しました。

１９７３年、１９７４年にイギリスのリーディングサイヤーとなっています。

主な産駒・・・
エンペリー（英ダービー）
ダリア(キングジョージ６世＆クイーンエリザベスステークス２回など）
ジェットスキーレディ（英オークス）
エクセラー（パリ大賞、サンクルー大賞など）
ゲイメセン（サンクルー大賞、日本輸入種牡馬）
ミシシッピアン（グランクリテリウム、日本輸入種牡馬）
ノーブルビジュー（ニュージーランドリーディングサイヤー４回）

１９８９年４月１９日に死亡しています。

□ヴェイグリーノーブルを知るおすすめ作品

■競走成績
開催日　開催国　競馬場レース名	距離格	頭数人気着順	斤量着差	騎手タイム	１着（２着）
１９６７．８．２６　英　ニューキャッスル未勝利Ｓ	Ｔ６Ｆ	１３４２	クビ	Ｄ．スミス	Ｓｗｅｅｔ　Ｔｈａｎｋｓ
１９６７．９．１５　英　ドンカスター未勝利Ｓ	Ｔ７Ｆ	１６８２	3/4	Ｗ．ウィリアムソン	Ｓａｒａｃｅｎｏ
１９６４．１０．１４　英　アスコットサンドウィッチＳ	Ｔ７Ｆ	１８３１	１２	Ｗ．ウィリアムソン	（Ｔｈｅ　Ｍｏｏｒｉｎｇｓ）
１９６７．１０．２８　英　ドンカスターオブザーヴァー金杯	Ｔ８F	８５１	７	Ｗ．ウィリアムソン１．４４．８０	（Ｄｏｏｎ）
１９６８．４．２１　仏　ロンシャンギッシュ賞	Ｔ１８５０	５１	３	Ｊ．デフォルジュ２．１１．５	（Ｓｅｍｉｌｌａｎｔ）
１９６８．６．９　仏　シャンティリス賞	Ｔ２４００	１１１	８	Ｊ．デフォルジュ２．３６．２	（Ｎｉｇｈｔｓｈａｄｅ）
１９６８．７．７　仏　サンクルーサンクルー大賞	Ｔ２５００	２０１３	２・1/4	Ｊ．デフォルジュ	Ｈｏｐｅｆｕｌ　Ｖｅｎｔｕｒｅ
１９６８．９．８　仏　シャンティシャンティ賞	Ｔ２２００	７１	４	Ｗ．ウィリアムソン２．２３．２	（Ｆｅｌｉｃｉｏ）
１９６８．１０．６　仏　ロンシャン凱旋門賞	Ｔ２４００	１７１１	５５．５３	Ｗ．ウィリアムソン２．３５．２０	（Ｓｉｒ　Ｉｖｏｒ）

＊ヴィエナＶｉｅｎｎａイギリス１９５７　鹿毛	Aureole イギリス１９５０　栗毛	Ｈｙｐｅｒｉｏｎ	Ｇａｉｎｓｂｏｒｏｕｇｈ	Ｂａｙａｒｄｏ
				Ｒｏｓｅｄｒｏｐ
			Ｓｅｌｅｎｅ	Ｃｈａｕｃｅｒ
				Ｓｅｒｅｎｉｓｓｉｍａ
		Ａｎｇｅｌｏｌａ	Ｄｏｎａｔｔｅｌｌｏ	ｂｌｅｎｈｅｉｍ
				Ｄｅｌｌｅａｎａ
			Ｆｅｏｌａ	Ｆｒｉａｒ　Ｍａｒｃｕｓ
				Ａｌｏｅ
	Ｔｕｋｉｓｈ　Ｂｌｏｏｄ１９４４　鹿毛	Ｔｕｋｒｋｈａｎ	Ｂａｈｒａｍ	Ｂｌａｎｄｆｏｒｄ
				Ｆｒｉａｒ’ｓ　Ｄａｕｇｈｔｅｒ
			Ｔｈｅｒｅｓｉｎａ	Ｄｉｏｐｈｏｎ
				Ｔｅｒｅｓｉｎａ
		Ｒｕｓｋ	Ｍａｎｎａ	Ｐｈａｌａｒｉｓ
				Ｗａｆｆｌｅｓ
			Ｂａｂｙ　Ｐｏｌｌｙ	Ｓｐｅａｒｍｉｎｔ
				Ｐｒｅｔｔｙ　Ｐｏｌｌｙ
Ｎｏｂｌｅ　Ｌａｓｓｉｅイギリス１９５６年　鹿毛	Ｎｅａｒｃｏイタリア１９３５　黒鹿毛	Ｐｈａｒｏｓ	Ｐｈａｌａｒｉｓ	Ｐｏｌｙｍｅｌｕｓ
				Ｂｒｏｍｕｓ
			Ｓｃａｐａ　Ｆｌｏｗ	Ｃｈａｕｃｅｒ
				Ａｎｃｈｏｒａ
		Ｎｏｇａｒａ	Ｈａｖｒｅｓａｃ	Ｒａｂｅｌａｉｓ
				Ｈｏｒｓ　Ｃｏｎｃｏｕｒｓ
			Ｃａｔｎｉｐ	Ｓｐｅａｒｍｉｎｔ
				Ｓｉｂｏｌａ
	Ｂｅｌｌｅ　Ｓａｕｖａｇｅ１９４９　栗毛	Ｂｉｇ　Ｇａｍｅ	Ｂａｈｒａｍ	Ｂｌａｎｄｆｏｒｄ
				Ｆｒｉａｒ’ｓ　Ｄａｕｇｈｔｅｒ
			Ｍｙｒｏｂｅｌｌａ	Ｔｅｔｒａｔｅｍａ
				Ｄｏｌａｂｅｌｌａ
		Ｔｒｏｐｉｃａｌ　Ｓｕｎ	Ｈｙｐｅｒｉｏｎ	Ｇａｉｎｓｂｏｒｏｕｇｈ
				Ｓｅｌｅｎｅ
			Ｂｒｕｌｅｔｔｅ	Ｂｒｕｌｅｕｒ
				Ｓｅａ　Ｗｅｅｄ