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和田共弘
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■和田共弘(OB)■
和田共弘(わだ・ともひろ) 千葉県出身
生没年月日・1922年8月1日−1994年4月29日
■コメント
■和田共弘(日本競馬史上最強馬・シンボリルドルフを生産)(OB)
(タイトルなどの最後のOB(生産者兼馬主)はオーナーブリーダー、Bはブリーダー(生産者)、Oはオーナー(馬主)の略)



凱旋ーシンボリルドルフをつくった男
日本競馬史上最強馬・シンボリルドルフを生産した人物こそ和田共弘(わだ・ともひろ)氏です。
木村幸治氏のシンボリ牧場関連の著作は読みごたえがありおすすめです

和田共弘を知るおすすめ作品

■履歴
和田共弘氏は、1922年、千葉県生まれ。

戦後、父・孝一郎氏から牧場経営を引き継ぎました。

早くから欧米、特にヨーロッパの生産方式を研究し、多くの繁殖牝馬とライジングライト、パーソロンをシンボリ牧場の種牡馬として購入する一方、何頭もの種牡馬の輸入にもかかわりました。

スピードシンボリの欧米遠征、七冠馬・シンボリルドルフの全姉・スイートコンコルドのフランス留学(日本で生産し、フランスで調教し、走らせる)など、常に欧米の競馬、特にヨーロッパの競馬を意識していました。

天皇賞に有馬記念連覇をしたスピードシンボリ、天皇賞馬・メジロアサマ、日本ダービー馬・サクラショウリなどを生産した和田共弘氏の競馬への執念の最大の結晶が、七冠馬にして日本競馬史上最強馬といわれるシンボリルドルフでしょう。

母の父にシンボリ牧場の傑作・スピードシンボリ、父に和田共弘氏が心魅かれて衝動買いに近い形で購入したパーソロンという血が流れていました。

和田共弘氏は、1984年のシンボリルドルフに続き、翌1985年の日本ダービーもシリウスシンボリで制し、2年連続ダービー馬を生産する偉業をはたしています。

シリウスシンボリも母の父パーソロン、父が和田共弘氏がフランスで生産したモガミで、和田共弘氏の執念の結晶といえる馬です。

シンボリ牧場は、シンボリルドルフ以前に、サクラショウリで日本ダービーを制しているため、3頭のダービー馬を生産したことになります。

さらに、その翌年の1985年に自身がフランスで生産したモガミ産駒のシリウスシンボリで2年連続、3回目の日本ダービー制覇をしています。

ライバルといわれた吉田善哉氏の社台ファームに規模では、はるかに小さいシンボリ牧場のこの偉業は驚くばかりです。

そのため、和田共弘氏は、やはり中小規模の牧場で独自の理論で驚くべき成功を収めたイタリアの天才馬産家・フェデリコ・テシオになぞらえて、「日本のテシオ」と呼ぶ人もいました。

ちなみに吉田善哉氏は、フランスの天才馬産家・マルセル・ブサックになぞらえて「日本のブサック」と呼ばれることが多かったようです。

和田共弘氏は、1985年、シンボリルドルフとシリウスシンボリの2頭でヨーロッパ遠征を計画しましたが、シンボリルドルフの遠征前の体調不良で、シリウスシンボリのみのヨーロッパ遠征となりました。

結局シンボリルドルフは、翌1986年にアメリカ遠征でレース中の故障により海外遠征は1戦しただけで引退となりました。

シリウスシンボリもヨーロッパで足掛け3年滞在しましたが、14戦して勝つことは出来ませんでした。

しかし、和田共弘氏の一貫した海外への挑戦、ビジョンは高く評価されるべきです。

1994年、逝去。

和田共弘氏の死後、シンボリ牧場は、子息に引き継がれています。

その子息の孝弘氏も2019年に亡くなっています。

日本競馬史上最強馬・シンボリルドルフをつくった男・和田共弘氏

凱旋ーシンボリルドルフをつくった男では、常に「世界」を見据えた和田共弘氏について丹念に描かれています

■和田共弘氏の生産方式
和田共弘氏のヨーロッパ志向の生産方式をとりいれた生産は、人間の手間がかかる方法ですが、中小規模の牧場に指針を与えていると思います。

シンボリ牧場が和田共弘氏の氏の晩年はヨーロッパ志向の生産方式などでは上手くいかず、勢力がなくなり、和田共弘氏の死後にアメリカ血脈を導入し、シンボリクリスエスなどでシンボリ牧場が復活したのは皮肉ですが

個人的には和田共弘氏の生産ビジョンなどは高く評価しますが。

■パーソロン導入とモガミの導入
パーソロンは、和田共弘氏がアイルランドで一目惚れに近い形で導入し、シンボリルドルフ誕生以前にパーソロンは生死の境をさまよいますが、共弘氏の献身的看護で生還します

シンボリルドルフ誕生へのエピソードです

また、モガミは共弘氏がフランスで生産した馬で、競走馬では準重賞勝ちまででしたが、種牡馬で導入し成功しています。


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